先日、モーリス・ユトリロ展に行ってきました。
実は最初に決まっていたのはアフタヌーンティーの予定だけで、せっかくなら近くに美術館があるから
行ってみよう!という流れになりました。
そのため、もちろんユトリロの名前は知っていましたが、あまり予備知識もないままに美術館を訪れる
ことになったのです。
美術館の展示を見てまず驚いたのが、ユトリロは8~9歳の頃からアルコール依存症になっていたこと…
そして、一休みしたベンチに置いてあった図録で、ユトリロとその母親を巡る人物相関図を見て、目が
点になりました。
母親のシュザンヌ・ヴァラドンは、私生児としてユトリロを産むのですが、画家のモデルとして活躍し、
その画家たちと次々に恋愛関係になってしまったようです。
ロートレック・シャヴァンヌ・ルノアール、そして夫の友人であったエリック・サティまで…
しかも、その後はユトリロの友人で自分と21歳違いのユッテルを愛人にします。
もう、そのお話だけで大河ドラマが作れそうです。
話が脱線してしまったので、元に戻しましょう。
モーリス・ユトリロの作風は、大きく「モンマニー時代」「白の時代」「色彩の時代」の3つの時代に
分けられます。
モンマニー時代(1903〜1907年頃)は、 アルコール依存症の治療のために絵を描き始めた初期の時代
で、印象派の影響を受け、暗い色調で、荒いタッチの風景画を制作しました。

サンドニ運河(1906-8)

モンマルトルのサン=ピエール広場(1908)


そして驚いたのは、ユトリロが絵葉書や写真を見て絵を描いていたこと…
こんなに著名な画家が、まさか写真を見て描いていたなんて、どうして?っと思ってしまいました。
白の時代(1909〜1915年頃)は、ユトリロの最も高く評価されている時代で、白い絵具をふんだんに
使った独特の作風が特徴です。
白い壁の質感を表現するため、絵具に漆喰や砂などを混ぜて、ザラザラした重厚なマチエール(画肌)
を生み出しました。
この時代の作品によって、ユトリロは画家として名声と経済的成功を収めました。

マルカデ通り(1909)



モンマルトルのノルヴァン通り(1910頃)

モンマルトルのボワソニエ通り(1910頃)

サン=ジャック=デュ=オ=パ教会(1910-12)

パリのサン=セブラン教会(1910-12)

クリニャンクールのノートル=ダム教会(1911)

「可愛い聖体拝受者」、トルシー=アン=ヴァロアの教会(1912)

サノワのマジャンディ通り(1912-14)


ブール=ラ=レーヌのスペイン皇女の館(1915)
色彩の時代(1913年頃〜晩年)では、色彩が豊かになり、より装飾的な画風へと変化しました。
1920年代半ば以降は、妻のリュシー・ヴァロールの保護のもと、モンマルトルを離れて平穏な生活を
送るようになり、アルコール依存からも回復しました。

モンマントルのミミ=バンソンの家とサクレ=クール寺院 モン=スニ通り(1925)

雪のサン=リュスティック通り、モンマルトル(1933)
シャラント県アングレム、サン=ピエール大聖堂(1935)
この絵は、雲の白と空の青がとても鮮やかで、こうやって写真に撮るととても明るく見えるのですが、
実際に近くに寄ってみると、雲の形がなんだかちょっと変で、もの悲しいようなとても不思議な気持ち
になりました。
ユトリロの生い立ちやその不幸な生涯などを知ってしまったせいでしょうか?!
モンマルトル、トゥレルのカフェ(1935)
雪のヴェジネ 聖ポリーヌ教会(1938)
ラヴィニャン通り モンマルトル(1940-42)
モンマルトルのキャバレー「ラパン・アジル」は、ユトリロが生涯にわたり繰り返し描いたモチーフです。

ラパン・アジール(1913)
ラパン=アジル、サン=ヴァンサン通り、モンマルトル(1927)
そして、風景画家として有名だったユトリロも花の絵を描いていました。
クリスマスの花(1941)
今回は、美術館から家に戻って、色々とユトリロについて調べました。
その中で一番わかりやすかったのがこちらでした。
もしこれからユトリロ展を観に行こうと思っていらっしゃる方がいれば、ぜひこちらを先に観てから
行かれることをお勧めします。
私は全体的にどの絵を見ても、なんとなく寂寥感のようなものを感じてしまったのですが、ユトリロ
の生涯を知ってみると納得できました。
生きているうちには全く日の目を見ない画家が多い中、絵が売れて富と名誉は手にしたけれど、母親
にあまり愛されなかった寂しさのようなものを絵の中に感じてしまうのかもしれません。
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