2018年 10月 03日
静謐
効率的にあちこち回りたいと思い、一人でツアー旅行に参加しましたが、ほかの参加者の方々も
ほとんどがおひとりでホッとしました。
あまりにもマニアックなので、ご主人や奥様に一人で行っていらっしゃい!と言われてしまうの
だそうです。
たくさんの古墳やお寺を回りましたが、一番心に残っているのは、ツアーとは無関係なこちらの
場所でした。
バスの中で、せっかくホテルの近くにあるのでぜひ行ってみてほしいとツアーの講師の方に言わ
れたのは、橿原神宮でした。
翌朝は出発が早いので、とりあえず宿に荷物を置いたらすぐに行ってみようと思ったのですが、
ホテルに到着した時にはすでに午後5時半近くになっていました。
急いでホテルの方に相談すると、橿原神宮の開門時間は季節によって違っていて、今は6時閉門
だというのです。
あわてて一人タクシーに乗り込み、なんとかぎりぎり間に合ったのがこの景色です。
広大な敷地にほとんど人気はなく、太陽の残光がわずかにそこここを照らしていました。
神様にも仏さまにもあまり関心がない私ですが、厳かな景観に息をのみました。
頭に浮かんだのは「静謐」という言葉でした。
奈良は夕暮れ時や寒い時期などあまり観光客が多くないので、一瞬自分がタイムスリップした
かのような不思議な気持ちになることがあるのです。
仕事を辞めたらゆっくり奈良をめぐりたい、と今は残業の日々の中で思っています。